“絹さや”と“さやえんどう”の違いについて
春になると、竹の子やつくし、絹さや、さやえんどうなど、
おいしそうな、また季節を感じさせてくれる食べ物が増えてきますね。
しかし、待てよ。竹の子やつくしは分かっても、
絹さやとさやえんどうの違いは、何なのでしょうか?
見た目は同じ緑色で、違う気もするが、同じ気もします。
味も違う気もすれば、同じ気もしませんか。
一体なにが違うのでしょうか?また、どんな特徴があるのでしょうか。
絹さやとさやえんどうの違いをマスターして、周りに自慢をしてみませんか。
絹さや、さやえんどうの違い
驚きなことに、結論から言うと絹さやもさやえんどうも同じ食べ物です。
単に呼び方が異なるだけで、正式名称は“絹さやえんどう”と言います。
(以降からは、正式名称の”絹さやえんどう”と呼称していきます。)
名前は地方により異なり、主に関東では絹さや、関西ではさやえんどうと呼びます。
また、福島県・新潟県ではさんどまめ、
茨木県ではさやまめ、栃木県・群馬県ではさやぶどう、
埼玉県・千葉県ではぶんず、さらに広島ではぶんこ、
など地域によって呼び方が異なります。
同じ食べ物でも、実に様々な呼び方があります。
道理で、絹さやもさやえんどうも名前が違うだけで、
見た目や味は似ていると感じるわけですね。
実際は同じ見た目、味の同じ食べ物なのです。
絹さやえんどうの名前の由来
絹さやえんどうの名前の“絹”はどこから来たのでしょうか。
そもそも絹さやえんどうは中央アジアから地中海沿岸地域が原産地です。
日本には8~10世紀ごろに入ってきています。
そして、日本で食べられるようになったのは江戸時代からだと言われています。
絹さやえんどうの名前の由来は、江戸時代までさかのぼります。
江戸時代では庶民は着物を着ており、夜の秘め事などで、
着物と着物が擦れる音を「衣(絹)ずれ」と言いました。
また、絹さやえんどうを収穫する時の音が衣ずれの音に似ているということから
絹さやえんどうと呼ばれるようになりました。
江戸時代の方もなかなか発想豊かに名前を考えたものですね。
絹さやえんどうの特長
絹さやえんどうは鮮やかな緑色でシャキシャキとした食感で、
ほのかな甘味もあって美味しいです。
この絹さやえんどうは成長をするにつれて、味も名前も変化します。
まず薄くて、さやも実も食べることができるのが、絹さやえんどうです。
絹さやえんどうは未成熟のうちに収穫をします。
そこからさらに成長をすると、
さやはかたくて食べられませんが実は大きくなり、グリーンピースになります。
そして、このグリーンピースがさらに成長をし、
完全に成熟をすると、えんどう豆になります。
絹さやえんどうの用途の特徴としては、ちらし寿司など、
彩りをよくしたい時に使用をすることがあります。
他のえんどうと比べると緑色が綺麗なのも特徴です。
また、卵との相性もよく、みそ汁や卵とじが定番料理にあげられます。
主役にはなりにくい食材ですが、名脇役として食卓を彩ってくれます。
絹さやもさやえんどうも同じ食べ物
地域によって、名前が異なる食べ物は、実はたくさんあります。
例えば関東では“肉まん”ですが、関西では“豚まん”であったり、
関東では“春菊”ですが、関西では“菊菜”であったりと上げだしたら、きりがありません。
その中の一つに実はさやえんどうと、絹さやが含まれていたのですね。
買い物に行ったときに、絹さやが欲しいのに、さやえんどうしか売っていなくてどうしよう。
などと、思うことはもう必要ありません。
なんてったって絹さやもさやえんどうも同じ食べ物なのですから。
もし、周りで知らない人がいたら、少し鼻高々にして説明されてみてはいかがでしょうか。